日本最初の本格的伽藍である法興寺(飛鳥寺)が平城遷都にともなって、蘇我氏寺から官大寺に性格を変え、新築移転されたのが、元興寺(佛法元興の場、聖教最初の地)です。 (現住所:奈良県奈良市中院町11番地)
世界文化遺産「古都奈良の文化財」は 8資産群からなっており、その中で元興寺は史跡元興寺極楽坊境内という狭い空間の、旧僧坊遺構である国宝極楽堂(極楽坊本堂)と国宝禅室(極楽坊禅室)が登録されています。また、東門は重要文化財に登録されています。
この寺は、我国最初の本格的伽藍である飛鳥寺(法興寺)が平城遷都により新築移建された官大寺たる元興寺の極一部にすぎません。
かつて平城京の東部外京に、興福寺と南北に接した大伽藍は、たび重なる罹災により姿を消し、この一画と史跡元興寺塔跡、史跡小塔院跡、そして寺に由来する奈良町の町名にかろうじて記録される程度となってしまいました。
この忘れ去られ様とした元興寺でしたが、文化財保護法によって多くの人々が地道な調査研究を進め、保存事業が行われた結果、世界文化遺産にも登録されました。
元興寺の所有する建造物、仏像の多くは 文化財として指定を受けています。
■ 主な建造物
● 国宝 元興寺極楽堂(極楽坊本堂)
● 国宝 元興寺禅室(極楽坊禅室・春日影向堂)
● 国宝 五重小塔
● 重要文化財 東門
● 県指定文化財 小子坊(極楽院旧庫裡)
● 茶室(泰楽軒)
● 法輪館(第一収蔵庫・第二収蔵庫)
● 都市景観形成指定 西室意楽庵(寺務所)
● 北門
■ 主な仏像
● 重要文化財 板絵智光曼荼羅(※)、並びに智光曼荼羅舎利厨子
(※ 秋季特別展期間中に特別公開します)
● 県指定文化財 絹本智光曼荼羅
● 重要文化財 木造阿弥陀如来坐像(禅定院多宝塔本尊)
● 重要文化財 木造聖徳太子立像(十六才孝養像)
● 重要文化財 木造弘法大師坐像
● 県指定文化財 木造南無佛太子像(聖徳太子二才像)
● 重要有形民俗文化財 元興寺庶民信仰資料 60,000余点
● 市指定文化財 絹本著色弁才天坐像
● 薬師如来坐像(西国薬師霊場五番)など
■ 史跡
● 元興寺極楽坊境内、元興寺僧坊、講堂の一部
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